ドラマ『階のスターエレメンツ』文字起こし

コチラの記事は、

アイドルマスターミリオンライブ! シアターデイズ

IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 17 STAR ELEMENTSのドラマCDの台詞を自分用に書き起こしたものになります。

正しいかどうかは保証しません。

ドラマCD聞いたこと無い人は絶対見ないでください。

というか見ても面白くないと思います。

でもこういうのあると助かりますよね。私は助かる。

ということで自分用に文字起こしをしました。見ても大丈夫な方はスクロールしてご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラマ『階のスターエレメンツ』文字起こし

 

みなさん、お待たせしました。

それでは、第19回アイドルニューウェーブグランプリ受賞者を発表します。

 

大丈夫、絶対大丈夫だもん。

だって私、見たんだから。

ステージの上からでも分かった。キラキラに輝くお客さんたちの笑顔。

みんなすっごく楽しそうだった。

きっかけはありふれたもの。チケットがあるって友達に誘われていったライブで、私はその人に出会った。

沢山のスポットライトに照らされたステージの上で、その人は誰よりも楽しそうに笑ってた。

たった、たったそれだけのことだったのに、私は目を奪われてしまった。

会場を照らすどんな光よりも眩しいその人から、目が離せなかった。

そして思ったんだ。私もあそこに立ちたいって。だから私は脚を踏み出した。

無謀だって言われても全然平気。だって、そのキラキラの方がずっとずっと強いんだもん。

今も私の心を離さない。そこに飛び込むために。

私はこのオーディションに合格して、アイドルになる。

 

グランプリは……

  

あれ? 確かこの辺だったと思うんだけど。

うえぇどうしよう~!受付時間が終わっちゃうよ~!

あっ、もしかして……えっと、え~っと、やっぱりここだ!建物の名前も一緒だし!

やった~!やっと見つけた~!……って急がなきゃ!

 

お~、控室の中すごい人~。二次審査だけでもこんなに人がいるんだ~。

さっすがアイドルニューウェーブ。やっぱりすごいな~!

あれ? あそこ、なんか人が集まってる。なんだろう?

 

どういうことか説明してくれる?

ひっ、ご、ごめんなさい。

 え? 女の子が囲まれて……あの子、泣いてる!

 ほら、さっさと星蘭さんの質問に答えなさいよ。

あなた、自分が何をしようとしたか分かってるの?

うぅ……。

 

ちょっと待ったー!

やめなよ! その子泣いてるじゃん!

 あなた誰? 関係ない人は入ってこないで頂戴。

待って、あなた、その子と知り合い?

ち、ちがうけど……。

そう、何があったか知らないクセに、首を突っ込んできたの。

たしかに、何があったかは知らないよ。でも、大人数で一人を囲むなんて、そんなの卑怯だと思う!

話にならない。行きましょう。

は、はい……。

星蘭さん、待ってください。

その無謀な勇気がどこまで続くか楽しみだけど、ひとつだけ忠告しておいてあげる。

軒を貸して母屋を取られないように、気を付けなさい。

え?軒を貸して母屋…?なにかのおまじないかな?

 

あの、ありがとうございます。助かりました。

うぅん、気にしないで。それより大丈夫?あの人たちひどいことするね~。

い、いきなりでビックリしました~。

あぁ、泣かないで。そうだ。顔でも洗ってさっぱりしよ?ね?

 

あ、タ、タオル忘れちゃった。

はい、私のタオル、使って。

あ、ありがとうございます。

 

ふわぁ……え、こ、このタオルって、ミツルギマヤの…。

うん、そうだよ。この前でたアルバムの、初回限定版についてたタオル!よく知ってるね~。もしかしてあなたも、マヤちゃん好きなの?

好きって言うか、マヤ……さんは、すごいアイドルですし、えへへ……。

そう、すごいよね~。わたし、初めて行ったライブがマヤちゃんのライブで、すごくキラキラしてて、私もあんな風になりたいって思って、アイドルニューウェーブに応募したの!

でもこんなにたくさんの人がいるなんて思わなくて、ビックリしちゃった!

アイドルニューウェーブは国内最大級のアイドルオーディションですからね。全国の事務所が協力してますし、今までグランプリを取った人は、全員トップアイドルとして活躍してますから。

わぁっ、アイドルに詳しいんだね! あ、えーっと…。

水桜です。神崎水桜。

私は光駆、天羽光駆だよ!よろしくね、水桜ちゃん。

はい、こちらこそよろしくお願いします。光駆さん。

ねぇねぇ、水桜ちゃんは何歳?

私は高校1年生です。

あは、じゃあ同い年なんだ。だったら、敬語やめてほしいかも。先生以外に使わないから、なんか変な感じする。

それじゃあ、光駆ちゃんって呼ばせてもらいま、あー、呼ばせてもらうね。

うん、水桜ちゃんはこれまでアイドルのオーディション受けたことあるの?

うん何度か。アイドルニューウェーブは去年も受けたから、二度目かな。

そっかぁ、すごいなぁ~。私、これが初めてのオーディションだから、もうドキドキで……。歌の審査ってアカペラで、しかも20秒しか歌えないんでしょ?う~ん、どうすれば良いんだろう~?

って、ごめんね。私だけ喋ってて。そういえば、水桜ちゃんはなんでアイドルになろうと思ったの?

私は……。

……わぁっ、ごめんねメールが。誰だろう? あ、お父さんからだ。

「慌てずにしっかりな」って、もう~心配性なんだから~。えへへ、返信返信っと。

光駆ちゃん。私、飲み物買ってきたいから、先に行くね。

それなら私も一緒に行くよ!

うぅん大丈夫。面接の前に、ちょっと集中もしたいし。

そっか、そうだよね。

ねぇ、その代わり、オーディションが終わった後、良かったらお話したいな。私、同じようにアイドル目指してる友達っていないから、光駆ちゃんさえ良かったら、友達になってほしいんだ。

ほんと!? なるなる、水桜ちゃんと友達になる!

ありがとう、嬉しい。

じゃあ私、終わったらここで待ってる。今日のオーディション、お互い頑張ろうね。

うん、また後でね。

……ふん。

 

ありがとうございました!失礼します!

ふわぁ~面接緊張したぁ~!でも、面接官の人に、笑顔が良いねって褒められちゃったよ~!私、もしかして良い感じじゃない!?このままアイドルになれちゃうかも?

って、それにしても、もぉ~この会場広すぎだよ~。

えっと、次の歌唱審査までは時間があるから、控室に戻ってればいいんだよね?

水桜ちゃんいるかな?

 

あれ?また人が集まってる。何かあったのかな?

あっ!またあの人!

 

いい?これでわかったでしょ?

もしまたおかしな真似をするようなら。

うぅ……。

こらー!

あっ、ひ、光駆ちゃん。

ちょっとねぇ、こういうの良くないって言ったじゃん!

はぁ……また貴方。まぁ、どうでもいいけど。

どうでもいいけど!?

じゃあ、そういうわけだから。

 

もぉ、なんなのあの人!水桜ちゃん大丈夫?なにもされなかった?

うん、心配してくれてありがとう。大丈夫だよ。さっきのこと謝りに来てくれただけだから。

えぇっ、そうなの!?私、勘違いしちゃったかな。

光駆ちゃんは私を心配してきてくれたんだよね。ありがとう、すごく嬉しかった。

えへへ、友達だもん。当たり前だよ。

えへ……。

水桜ちゃん?

うぅん何でもない。

それから、次の歌唱審査の組み合わせが発表されたって教えてくれたの。

私はBホール。光駆ちゃんはAホールだって。

そうなんだ。やっぱ、あの人に悪いことしちゃったな。後で謝らないと……。

大丈夫だよ、きっと。

うぅん……そうだよね。ちゃんと謝れば大丈夫だよね。

それじゃ行こっか。水桜ちゃんお互いに頑張ろうね。

えぇ。……お互いに。

 

ステージ袖ってこんな風になってるんだぁ。

歌い終わったら、反対側に行けば良いんだよね。

次、オーディション番号610番。ステージに上がってください。

そろそろ私の番だ!うぅ~ドキドキするよ~!ちゃんと歌えるかなぁ。

はい、ありがとうございました。次、オーディション番号630番。ステージに上がってください。

630……?ちょ、ちょっと待ってください!

あの、私628番の天羽光駆です。私の番号、呼ばれなかったみたいなんですけど。

628番……?628番はAホールじゃなくて、Cホールのはずですが?

え、えぇぇぇ~!?

 

オーディション番号550番、神崎水桜でした。ありがとうございました。

はい、ありがとうございました。それでは次、628番、ステージに上がってください。

……628番、いないんですか?628番。

はいはいはいはーい!ここです、ここにいまーす!

はぁ、はぁ……間に合って良かったぁ。

あの君、疲れてるところ悪いんだけど、時間も押してるし、始めてもいいかな?

は、はい!遅くなってすみませんでした!いつでも行けます!

628番、天羽光駆です!よろしくお願いします!

 

はぁ~、良かったぁ審査受けられて。

あっ、水桜ちゃん!

良かったぁ~水桜ちゃんも間に合ったんだね?

え?

水桜ちゃんが教えてもらった組み分け、あれ嘘だったんだよ。あの人ほんっとに酷いことするね~。良い人だって思ったのに~。

あぁ、うん。そう、私も大変だったよ~。でも親切な人が、私はここじゃないって教えてくれたおかげで間に合ったんだ。光駆ちゃんも、ギリギリ間に合って良かったね。歌、とっても上手だったよ。

ホント!? ダッシュしたから、ちょうどいい準備運動になったのかも。

次、1005番、ステージに上がってください。

はいっ。

あ、あの人、私たちにあんなひどいことしたくせに!

しー、光駆ちゃん。審査中は静かにしないと、怒られちゃうよ。

あぁ、そうだった。

終わった人は待機だから、控室に戻ろう光駆ちゃん。

うん、そうだね……え?

 

はぁ。すごかったね、あの人。あんな上手な人、いるんだね。

うん、さすが星蘭さん。草薙家の人だけあるね。

草薙家?

芸術の草薙って聞いたこと無い?クラシックの演奏家とかオペラ歌手とか、芸術の分野で数多くの天才を輩出してる家なの。中でも星蘭さんは特に優秀だって言われてて。周りの人たちはみんな、星蘭さんはクラシックの方に進むと思ってたみたい。まさか、アイドルの道に進むなんて思わなかったって。

芸術の草薙……。そんなに凄い人もオーディションに参加してるんだ……。

そう、だから私なんか、場違いなのかなって。

……えいっ!

ひゃあ!ひ、光駆ちゃん?

ごめんね。ちょっと、気合入れなおしてたんだ。

……気合?

うん、すごいおうちだとか、そんなの関係ないよね。

それに、こんなことくらいで心配してたら、お父さんに笑われちゃう。

お父さん?

うん、最初に私がアイドルになりたいって言った時、お父さん反対したんだ。でも私、どうしても諦められなくて、何度も何度もお願いしたら、第一志望の学校に合格したら良いよって言ってくれたの。だから私、勉強得意じゃないけど、すごく頑張った。そしたら、第一志望校に合格できて、お父さんが「おめでとう」って、アイドルニューウェーブの応募申込書を渡してくれたの。あの時は、ほんっとうに嬉しかったなぁ……。だから私、絶対に諦めないよ。絶対に、オーディションに受かって、アイドルになる!

お待たせしました。それでは、午後の審査に移りたいと思います。ダンス審査はいくつかのグループに分かれて踊ってもらいますーーー

 

~♪

はい。以上で、このグループのダンス審査は終了です。結果が出るまで、控室でお待ちください。

前のグループ、すごい熱気だった。さっきはバタバタしててあっという間だったけど。そうだ、私はアイドルのオーディションを受けてるんだ。

はい。じゃあ次のグループ、ステージに上がって。

は、はいっ!

よ~し!私の番だ、頑張るぞ~!

光駆ちゃん、一緒のグループなんだね。

水桜ちゃん!私の後ろなんだね!水桜ちゃんと一緒のグループなんて、なんか心強いなぁ~。

静かにしてくれない?本番が始まるわ。審査はもう始まっているのよ。

……星蘭、さん?

私の隣、星蘭さんだったんだ。絶対に負けないんだから!

それじゃあ、音楽に合わせて始めて下さい。スタート。

~♪

私は、こんなところでは負けられない。必ずアイドルニューウェーブで、グランプリを取ってみせる!

おぉっ……!

さすが、草薙家ですね。

グランプリ筆頭候補だけありますね。

……!星蘭さん、歌だけじゃなくて、ダンスもすごい!私だって、どう、っだぁ!

この子、私についてきてる!?

そう、でも私は私のダンスに集中するだけよ!

絶対に負けないんだからー!

おぉ…!

草薙星蘭についていっているわ。

ありゃ誰だ?

628番?ノーマークでしたね。

ふん、良いぞ。その負けん気。実に見どころがある。さて、他の候補生の諸君はどうかな。

審査員の人たちは星蘭さんと光駆ちゃんに注目してる。このままじゃ……っ!

えっ、なに、脚が急に、わ、わああぁ~!

…!

ストップストップ。みんな止まって。音楽、止めて下さい。

光駆ちゃん、大丈夫?

い、いったたたた。はっ、私、す、すみませんでした!

……っ!

星蘭さん。ごめんなさい。私、星蘭さんまで巻き込んで……って、あれ?星蘭さん、どこへ…。

あなた、どういうつもり!?

わ、私……。

な、なんで星蘭さん。水桜ちゃんに怒ってるの。転んじゃったのは、私なのに……。

草薙さん落ち着いて。とりあえず、審査はこれで終わりよ。後は、結果が出るまで、控室で待ってて。それじゃあ次、最後のグループ。

待ってください。まだ踊れます。もう一度審査をお願いします。

転倒に巻き込まれたのは可愛そうだけど、こういうアクシデントも含めて審査よ。分かったら、はやく全員、控室に戻って。

……わかりました。

ふむ……今年のアイドルニューウェーブ、なかなか面白そうじゃないか。

 

うぅ~結局最後までダンスできなかったよ~。同じグループの人にも迷惑かけちゃったし、折角二次審査まできたのに、もうダメかも~。

うん、でも、トラブルで最後まで踊れなくても、審査を通過することはあるみたいだから、だからきっと、チャンスはまだあるんじゃないかな。

ほんとに!?

うん、本当だよ。だから……。

あっ。

……。

せ、星蘭さん。

神崎水桜さん、それに天羽光駆さん。少し話があるの、付き合ってくれる?

あの、星蘭さん。さっきはほんとにごめんなさい!謝って済む問題じゃないですけど、私……。

少し黙ってて。まず話があるのは神崎さんだから。あなた、いつまで惚けてるつもり?これ以上あなたの茶番に付き合わされたくないんだけど。

えぇっ、な、なんのことですか……?

惚けないで。だったら審査委員長にお願いしてみましょうか。さっきの審査に関して、確認したいことがあるって、映像で。

ま、待ってください。なんで水桜ちゃんを責めるんですか!?転んだのは私で……。

まだ気づいてないの!?あなた倒れる時、本当に躓いた?

神崎さん。天羽さんが倒れた時、あなたはやけに彼女に近かったわね。

そ、それは私の実力が無くて、最初の立ち位置からずれちゃって。

嘘。あなたが脚を引っかけたから、天羽さんは転んだのよ。

え、えぇ~?し、してません。私、そんな恐ろしいこと。

午前中の審査でも、天羽さんに嘘の情報を教えていたんじゃない?あの時も、天羽さんが最後に話したのはあなた。

何人もの人があなたたちを見ていたのよ。ここに呼んで、証言してもらいましょうか。

ちょっと待ってください。水桜ちゃんがそんなことするわけ……。

天羽さん。お人好しで損をするのは貴女の勝手だけど、周りを巻き込まないで!

オーディションが始まる前、どうして私が神崎さんに怒っていたか、知ってて言ってるの?

え?そういえば知らないけど、あの、どうしてなんですか?

神崎さんが、私のシューズを隠そうとしていたからよ。

……水桜ちゃんが?そ、そんな、嘘だよね水桜ちゃん。ね?

……。

おねがい水桜ちゃん。何か言ってよ。でないと私、水桜ちゃんのこと、信じられなくなっちゃうよ。

……っ。

星蘭さん?

アイドルニューウェーブの勝者はたった一人。つまりその人もライバル。それなのに、あなたは誰を信じてると言うの!?

で、でも、水桜ちゃんは友達だもん!

あなたはそうかもしれない。けどその人がどう思っているかは、分からないと思うけど。

えぇ……。嘘……友達だよね、水桜ちゃん?

……はぁ~。なーんだ、残念。にぶい光駆ちゃんには気付かれないだろうと思ったのに。失敗しちゃったなぁ~。

水桜ちゃん……それじゃあ、星蘭さんが言ってたことは本当なの……?なんで、なんでそんなこと?

決まってるじゃない。あなたが甘いことばっかり言ってるから。自分もマヤさんみたいに輝きたい?よりによってあんなヤツ。ハッ、バカじゃないの。

だって、憧れてるんだもん!それの何が悪いの!?良いじゃない別に!

アイドルは、そんな甘い考えでなれるものじゃないの!

そこの草薙のお嬢様が言ったでしょう。このアイドルニューウェーブでグランプリの栄光。約束されたトップアイドルの座を掴めるのは一人だけ。その一人になるためなら、私はどんな手を使ってでも邪魔者を蹴落とす。靴だって隠すし、嘘だって言うし、脚だってひっかけるわ!

だ、ダメだよそんなの!アイドルになりたいなら、正々堂々と勝負しなきゃ!

貴方を見ていると、昔のバカな自分を見ているみたいでほんっとイラつく!信じて努力すれば夢が叶うとか、そういうの疑ってないタイプでしょ。

そ、それはそうだけど……。

ほんっとバカみたい。その勘違い、私が必ず分からせてあげる!

……。

草薙!

星蘭さん?

あなたたち、二次審査に残っても辞退しなさい。お遊びで参加されると、時間の無駄だから。

お、お遊びなんかじゃ!

違うとでも?実力も覚悟も無い癖にアイドルになりたいなんて、聞いて呆れる。

良い?アイドルとしてこの世界の頂点に立つ。そのためには、様々なものを犠牲にする、その覚悟が必要なの。実力を磨くでもなく、他人の脚を引っ張ることだけに必死な人や……

……っ!

真剣勝負の場でさえ、他人と仲良し子よしを求める人。その程度の覚悟しか無いあなたたちに、アイドルになる資格なんてない!

こ、この…!

ば、馬鹿にしないで!確かに歌は貴女の方が上手かったかもしれないけど、だからって、遊びでやってるわけじゃない!私は、絶対にアイドルになって見せる!甘いって言われても、覚悟が足りないって言われても、これが私なんだもん!いつか、あの光の中へ立てるように、いつか自分もあんな風に輝けるようにって頑張ってきたの!だから、あなたたちには負けない!

……私も、負けるつもり、無いです。私だって、アイドルになるために来たんだから。

そう、なら勝手にすれば。どうせ時間の無駄だと思うけど。グランプリを取るのは私だから。

……ふん。

水桜ちゃん……。

もう、小細工は一切しない。あなたの甘い考えは、私の実力で否定してあげる!

私だって負けない。絶対に最終選考に残って、グランプリになってみせるんだから!

ふん。

……うん、実に面白い。やはり、あの三人だな。

 

その後、私、水桜ちゃん、そして星蘭さんは、最終選考に残ると発表された。

水桜ちゃんが言った通り、転倒はあまり影響がなかったみたい。あの時の水桜ちゃんは、本当のことを言ってくれてたんだ。

そして、最終選考の日。

~♪

それでは、審査を始めます。みなさんには事前に課題曲を収録したCDを~

ついに、最終オーディションが始まった。この審査に勝ち残れば、私、アイドルになれるんだ!

それでは早速、一人目お願いします。オーディション番号、550番、神崎水桜さん、ステージにあがってください。

はい!よろしくお願いします!

……これが、水桜ちゃんの本気。表情って、あんなに変わるものなんだ。

ありがとうございました!

卑怯な真似なんかしなくても、十分すごいんじゃん。

次、オーディション番号1005番、草薙星蘭さん、ステージに上がってください。

はい。

さっきの水桜ちゃんと同じように、星蘭さんのステージからも、私は目を離せなかった。やっぱり、凄い。

ありがとうございました。

次、オーディション番号628番、天羽光駆さん、ステージに上がってください。

はいっ!

大丈夫、ちゃんと頑張ったもん。信じれば夢は叶うなんて、甘いかもしれない。

でも、だからこそ、夢を、憧れを、この手に掴む。そのために、私はステージで全てを出すんだ!

オーディション番号628番、天羽光駆です!よろしくお願いします!

 

みなさんお待たせしました。

それでは第19回アイドルニューウェーブ、グランプリ受賞者を発表します。

……!

映えある第19回アイドルニューウェーブ、グランプリは、オーディション番号1005番、草薙星蘭さんです。

草薙さん、おめでとうございます。ステージへどうぞ。

はいっ!

……そっか。星蘭さんか。星蘭さんはすごかったけど、でもやっぱり、負けちゃったのは悔しいな……。

続きまして、審査員特別賞を発表します。アイドルニューウェーブの長い歴史の中で、グランプリ以外の賞を用意したのは初めてです。それだけ、今回は参加者のレベルが高いオーディションでした。

それでは発表します。第19回アイドルニューウェーブ審査員特別賞、受賞者は……。

オーディション番号550番、神崎水桜さん。ならびに628番、天羽光駆さんです。

あっ、えっ、わ、私っ!?ほんとに? や、やった~!!!!

お二人とも、おめでとうございます。

はいっ!

それでは、ここで受賞者の皆様に、お祝いの言葉を贈る特別ゲストに、御登壇して頂こうと思います。ゲストは、前回アイドルニューウェーブ、グランプリ受賞者、ミツルギマヤさんです。

……マヤ!

これが、ミツルギマヤ。彼女を倒すことが、トップアイドルへの道のりそのもの。

マヤ、やっと、やっとたどり着いた。あなたを追うことのできるステージに!

わぁ~!すごいすごい!アイドルってやっぱりすごい!私も絶対になる!マヤちゃんみたいなアイドルに!

こうして、第19回アイドルニューウェーブはその幕を閉じた。

私の所には、たくさんの事務所から連絡が来た。私は、悩みに悩んだ結果、お父さんとも相談して、その中のひとつの事務所を選び、そして今日、初めてその場所へと足を運ぶことになった。

 

ここが、今日から私の事務所!くぅ~!

あっ、エレベーター、待って待って~!乗りま~す!

はぁ、はぁ~、間に合ったぁ。

えっ、ひ、光駆ちゃん?

えっ、あぁ!水桜ちゃんがどうしてここに!

むぅぅ~!

ちょっと、ついてこないでくれる!?

そっちこそ、私は社長さんに呼ばれてるんだから!

私だって!

むぅぅぅぅ~~!!

 

失礼します、天羽光駆、到着しました!

か、神崎水桜です!

貴女達は!

星蘭さん!?

はっはっは、いやぁ実に元気が良い。ようこそ、私がこの事務所の社長、高林だよ。

あっ、初めまして!

あの、よろしくお願いします。

うん、二人とも、ステージで見た印象のままだ。さて、早速だが、今日君たち三人を呼び出したのは他でもない。

草薙星蘭くん。

はい。

神崎水桜くん。

はい!

天羽光駆くん。

はいっ!

私は、アイドルニューウェーブの審査の時から、君たちに限りない可能性を感じていた。一人一人の輝きはもちろんだが、三人がぶつかった時の可能性だ!

ぶつかった、時?

それって……。

二次審査の後だったかな。君たちが話しているのを偶然見かけてしまってね。あっはっは。

えぇぇ~?

あれを見ていたのに、私たち三人を呼んだということは、何か意図がある、ということですね?

うむ、その通りだ。私は今回、君たちをこの事務所からデビューさせるにあたって、まずはユニットを組んでもらうことにした。

ユニット?

わ、私たちが、ですか!?

うむ、ユニット名は、STAR ELEMENTS!プロデューサーは仕事で席を外していてね、後程改めて紹介しよう。

……。

昨日までライバルだった人間とユニットを組むんだ。突然のことだし戸惑うかもしれないが、だが、私は君たち三人の力を合わせることで、アイドル界の頂点に立つことも夢じゃ無いと、本気で思っているんだよ。

アイドル界の、頂点……!

じゃあ、ソロ活動は、無いんですか?

もちろん、ソロでも活動してもらうつもりだ。そのためには、ユニット内で頭角を現してもらう必要があるが。

ユニットで売れなければ、個人で売る必要は無い。そういうことですね。

うむ、そういう言い方もできる。

君たちのプロデューサーは頼りになる男だ。彼と力を合わせ、どうかアイドル界の階を駆けあがってくれたまえ!それでは諸君、よろしく頼むよ。

はいっ!

 

切っ掛けはありふれたもの。

でも、あの日私の運命は大きく変わった。

憧れの人が立っていた光り輝くステージに立つために、私は未来に向かって、これからも全力で走り続けるんだ!