夢を見せたいアイドル、七尾百合子。

 さて、突然ですがあなたは「七尾百合子」というアイドルを御存知でしょうか。

 まずはミリシタの公式プロフィールを見てみましょう。

 

「妄想すると止まらない、夢見がちな文学少女アイドル」

https://millionlive-theaterdays.idolmaster-official.jp/idol/yuriko/

 

 続いてミリアニのHP

 

「読書が大好き。ステキな"先輩"を目指して奮闘中」

https://millionlive-anime.idolmaster-official.jp/character/yuriko/

 

ん?ステキな"先輩"……??

察しの良い皆さんであればもう私が何を言いたいかお分かりですね。

 

ミリアニ第3話の七尾百合子よかった!!!!!!!!!!!!!!!いやっほーーーー!!!!!!!!!!ありがとうミリアニ!!!!!FOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!

 

 この記事の内容を要約すると上記の文章になります。

 私は本当にミリアニに、綿田監督に感謝しています。

 七尾百合子に限らず、各アイドルの良いところを見せてくれてありがとうございます。

 ここで改めて、七尾百合子の良いところについて触れることで、ミリアニが如何にアイドルの魅力を丁寧に描いているかを語りたいと思います。

 

 ※筆者は劇場公開で全話視聴済みですが、第四話以降のネタバレは含まないように気を付けたいと思います。

 ※本記事は全て筆者の主観に基づいたものです。

 

 

七尾百合子の良いところ

① かわいい(真理)

がわ゛い゛い゛!!!!

 いやほんとこの一言に尽きるんですけどね。

 そんなん知ってるよ当たり前だろってツッコミが世界中から聞こえてきましたので、今回の記事では説明を省略させて頂きたいと思います。申し訳ない。

とりあえずほっぺ引っ張っておこうっと(動画の10:55から再生!)

https://www.nicovideo.jp/watch/sm22968159

② 夢を見るアイドル、七尾百合子

 ミリシタの紹介にも「夢見がちな文学少女」とあるように、七尾百合子と言えば「妄想」を思い浮かべる人も多いでしょう。

 世界に文学少女は数多くいれど、七尾百合子を七尾百合子たらしめる一つの要素であると思います。クラスメイトから「図書館の暴走特急」という異名がつけられていることからも、彼女が我々だけでなく周囲からそのように認識されていることが分かりますね。

アニメでも早速妄想する七尾百合子
(アニメ第3話予告映像のキャプチャ)

https://www.youtube.com/watch?v=3CIVSkYx79Q

 

 ただ、私は個人的に「夢を見ること」と「妄想」は少し違うと思っています。

 例えば「トップアイドルになった自分を想像する」は、妄想とはちょっと違いますね。

 「役柄に入り込むために登場人物の心境を想像する」も、妄想というよりは演劇という分野における技術のように思います。

 七尾百合子というアイドルは特にこの領域において強みを持つアイドルであると私は認識しています。役柄を与えられた際、原作を読み込み、気持ちを想像して、それを相手に伝えることが出来るアイドル。

 彼女が役柄に、そしてアイドルに夢を見続けてくれるからこそ、その姿を見た我々も夢を見ることが出来るのだと思います。

SSR「ご加護はすぐそこに」人間に叶わぬ恋をした精霊を表現する七尾百合子

③ ファンに夢を見せたいアイドル、七尾百合子

 突然ですが七尾百合子は身体を動かすことが苦手です。ムビマスでもミリアニでもダンスを通してそれが表現されています。歌に関しても「あまり上手ではない」と言っています。自称人見知りでもあります。結構ネガティブなことも口走ります。

いずれも初期からある七尾百合子の固有ボイス

 そんな彼女ですが、裏では弱音を吐けどパフォーマンスに対しては真摯です。

 その根幹には彼女がアイドルになった切っ掛けである「物語の伝道師になりたい」という思いがあると私は考えています。我々が思う「物語」とは「アイドル七尾百合子の物語」ではありますが、七尾百合子にとっての「物語」とは「他者の作品」であると感じる場面が多くあり、その「作品」には小説だけでなく、楽曲であったり演出であったり、あるいは他者の想いそのものである場合もあるように感じます。

アイドルコミュ第1話でアイドルへの意気込みを語る七尾百合子

 様々な人から預かった大切なものを、自らが発信して素晴らしさを伝える。

 経験のある方なら御存知かと思いますが、想いが募れば募るほど尻込みしてしまうものです。七尾百合子もそのうちの一人です。

 メインコミュ第119話「きみに合いたい」では、大好きな小説のアニメーション映画の主題歌という大役を任された際にもプレッシャーを感じ、彼女は「本当に自分がやって良いのか」「自分はこの作品のことを本当は何も分かっていないのでは」とオファーを受けるかどうか悩んでしまいます。その後、Pからのアドバイスを受けて初心を思い出し覚悟を決めた彼女は見事に主題歌である「地球儀にない国」を歌い上げるわけですが、七尾百合子の好きな作品に対する思いの強さや真摯な姿勢が表れていた素晴らしいコミュだと思います。

メインコミュ第119話でファンの声を検索して主題歌を引き受けるか悩む百合子

 このほかにも2014年1月の「出演!アイドルスペースウォーズ」にてイメージ通りの衣装や小道具とするために監督に直訴したり、原作を読み込んで美奈子に裏設定を説明したりするシーンも私のお気に入りです。

 好きな作品だからこそ拘りが強いのか、と聞かれればハイと答えるかもしれませんが、七尾百合子はそれだけではありません。好きな作品に出演した時だけでなく、アイドルとしてファンを喜ばせる、ファンに夢を与えると言うことに関しても百合子はいつも頑張っています。

 下のSRはGREE時代のものですが、初めは「ルールブックを完璧に読み込んで審判に……」「試合が終わるまでベンチを温めていられたら……」「あんなに小さなボールを叩くなんて無理です!」と泣き言ばかりでファンからも「ドンマイ」とコールされてばかりだった百合子が、「一度くらい、ファインプレーでファンを喜ばせたい」と願い、身体を張って転びながらボールを取った瞬間の一枚です。よくやった早坂。

GREE版SR「全力ファインプレー」

 このように、うちの七尾百合子は苦手なことも多いし弱音を吐くことはあれど、ファンの期待に応えたいという思いから努力をしたり行動したり出来る子であり、そんなところもまた彼女の魅力の一つであると私は考えています。

 この一面を取り上げ、「ファンに夢を見せたいアイドル」として紹介させて頂きました。

 

④ 仲間に夢を見せたいアイドル、七尾百合子

 ③ではファンに対する七尾百合子の姿勢について紹介させて頂きました。次に④では仲間に対する姿勢を紹介させて頂きます。

 ミリアニ第三話をみて、この部分を紹介させて頂きたくて今回このブログを書きました。ミリアニ第三話良かったぁ……。「ミリアニ第三話良かったぁ……」という結論に向かうために、まずはムビマスを紹介させて頂こうと思います。

 劇場版アイドルマスター「輝きの向こう側へ」では、七尾百合子はバックダンサー組として参加しています。バックダンサー組の中では美奈子と奈緒に次いで三番目のお姉さんです。今回はこのムビマスで「ダンスが遅れ気味の年下(可奈、杏奈、星梨花)を気に掛ける七尾百合子」が多く描かれている点について紹介したいと思います。たくさんあるので箇条書きしますが、

  • 練習がうまくいかずに悩む星梨花と杏奈に対して「出来ないなら出来るようになるまでレッスンすれば良いじゃない」と言った志保に対して怪訝な視線を送るシーン
  • 「ダンスのレベルを落としたくないかどうか」を聞かれて、真っ先に手を上げずに杏奈と星梨花に目を遣ってから手を上げるシーン
  • 杏奈と星梨花と一緒に萩原邸に泊まって意見を求められた際、率先して発言するシーン

 これらを人見知りであまり強い意見を言うのが得意ではない七尾百合子がやっているというのが、すごく心に響きます。もちろん志保が間違っているわけではありませんが、七尾百合子がどういうことを大切にしているのか、これらのシーンから感じ取ることが出来ますね。

ありがとうムビマス(画像はミリシタイベントキービジュ)

 続いて私の中で七尾百合子を語るうえで避けては通れないものだと考えているものに、Brand New Songがあります。ずっとミリオンライブを大切にしてくれているima先生が、百合子・桃子・このみの3人を中心に描いてくれた本当に、本当に素晴らしい作品であり、表面的だけではない七尾百合子の良いところを惜しみなく感じ取ることが出来る素晴らしい作品です。

 2023年5月に全6巻で完結しているため一つの作品として読みやすく、第6巻特装版には3人のユニット「FleurS」が歌う完全新曲「わたしは花、あなたは太陽」も収録されておりますので、是非作品を読んで素晴らしさに浸った後に聞いてみてください。

www.ichijinsha.co.jp

 さて、こちらのBrand New Song(以下、BNS)では七尾百合子が主役として描かれているために様々な素晴らしいシーンが存在するのですが、その中でも今回の趣旨に合ったシーンを紹介させて頂こうと思います。

 それはBNS最終巻である第6巻の第29話、百合子が桃子の過去のことを知ったことで、嫌われたと勘違いして走り出してしまった桃子を追いかけるシーンです。最終巻の盛り上がりどころのひとつなので最高ではないわけないのですが、ここまでの丁寧な積み重ねもあり強く心に残るシーンです。

嫌われたと勘違いして走り出してしまった桃子を追いかける百合子
(BNS第29話試し読みより引用)

 このシーンでは、自分の表情によって桃子に勘違いをさせてしまったという百合子の罪悪感が強く描写されています。百合子を立ち上がらせたこのみと、これまで積み重ねてきたレッスンのおかげで桃子に追いつくことができ、自分の気持ちを伝えることが出来ました。

 この時、百合子の「桃子を失望させたくない」という気持ちが前面に出ているように感じます。もちろんこのみの貢献やレッスンの積み重ねもありますが、このシーンで百合子が脚を止めずに走り続けることが出来たのは、百合子の強い想いが故だと私は思います。

 七尾百合子が夢に描くトップアイドルの世界では、仲間たちも一緒に夢を見ていてくれなくてはならないのです。

 

⑤ ミリアニの七尾百合子は夢を見せたい

 うわぁぁぁぁぁ!!!ミリアニ最高ううぅわああああAAA!!!!!!!!

 すみません取り乱しました。ミリアニ凄いですね。

 アニメ「アイドルマスターミリオンライブ」の中では、七尾百合子は「1期生」として未来静香翼よりも早くアイドルデビューしている存在として描かれています。なので第2話で「頼れるお姉さんにならなきゃ!」って言いながら「ふんす!」ってしています。かわいいですね。

 第3話ではなんと、未来たちに劇場の案内をして、そのままレッスンに参加して先輩としての実力を見せつけ……ようとして昴に絡まれたり、張り切り過ぎて「ぷしゅ~」となる様子が描かれています。かわいいですね。

ima先生はBNSの中でよくふにゃふにゃ百合子を描いてくれて可愛い
(BNS第2話試し読みより引用)

 その後、まつりの先導でステージを見に行ったあと、未来たちから「ステージから見た景色」について聞かれたときに「見せたいところがある」と言って劇場の屋上から見える夜景を紹介します。私はこのシーンがとても好きです。

 七尾百合子の根幹として「自分が見たり体験した素晴らしいものを伝えたい」という気持ちがあります。ミリアニでは百合子は一期生として既にバックダンサーとしてステージから見えた素晴らしい景色を体験しており、その素晴らしい体験を仲間たちに共有するために屋上に上ることを提案したのでした。

未来たちに劇場から見える夜景を紹介する百合子
(公式Xのポストより引用)
https://x.com/imasml_765PRO/status/1715901803123053051?s=20

 

 「百合子の魅力を出してくれ!」と言われて、百合子を暴走させてほっぺを引っ張るシーンを描くのはとても簡単です。尺も取りません。もしかしたらSNSで盛り上がるかもしれません。

 でも、ミリアニからはスタッフさんが「七尾百合子にはこんな魅力があるよ!」と真摯に伝えようとしてくれているのを感じます。拘りを感じます。拘らないと、この出し方にはならないような気がします。

 もしかしたらバズったりはしないかもしれない。けど七尾百合子のここが良いんだ!というところを、出来るだけ新規の人にも見てもらって、既存の人にも改めて気付いてもらう。そういう強い意志を感じます。

 それを感じ取れるような作品に仕上げて頂いたことが私はとても嬉しい。

 ありがとうミリアニ。

 ありがとうミリオンライブ。

 

今ならニコニコ動画で第3話が見れる!

私は七尾百合子に夢を見せたい

 さて、最後まで取り留めの無い文章になってしまいました。申し訳ございません。ここまでの記事の内容で、七尾百合子が誰かに夢を見せたいアイドルであり、ミリアニがそれを上手く伝えてくれたことへの感謝の気持ちが伝わってくれたらと思います。

 最後に伝えたいことがひとつ。百合子が皆に夢を見せたいのと同じように、私も百合子に夢を見せてあげたい。そう思っているので、私はミリオンライブ箱推しですが「誰かひとり挙げてください」と聞かれたら「七尾百合子」と答えています。理由を問われれば「彼女には夢を見せる力があるから」と答えます。

 七尾百合子というアイドルは自分が好きなものに取り組むとき、自分が好きなものを語る時に類まれなる魅力を発揮してくれるアイドルだと思います。自分が見た素晴らしい世界を皆に伝えたいと願っていて、それを叶える力を持つアイドルだと思います。

 彼女が夢を見ている時、そんな彼女の瞳を通して皆もまた夢を見ることが出来るのです。

 なので私が出来ることは、彼女が夢を見続けていられるようにサポートすることだと思います。前述の通り、七尾百合子は支え甲斐のあるアイドルです。百合子は危なっかしく妄想の世界に飛んでしまいますし、苦手なこともたくさんあります。弱音もたくさん吐きます。ですが、所謂「ハマり役」になった時のポテンシャルは目を見張るものがあると思っています。

 七尾百合子が「アイドル七尾百合子」という物語の主人公で在り続け、トップアイドルという夢を見続けていられるように、これからも劇場で楽しく過ごしたいと思います。

アイドルコミュ第5話での百合子の宣言

 長くなってしまいましたが本記事はこれで終わらせて頂きます。

 ありがとう、ミリアニ。

 ありがとう、ミリオンライブ。